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新規油田の開発

アブダビ石油は2011年2月に行われた新利権協定により既発見未開発構造であるヘイル鉱区の開発権利を取得しました。
これにより当社第4の油田として原油生産を開始するべく、2012年10月にヘイル構造詳細探鉱計画・開発計画を立案しアブダビ国営石油会社、ADNOCに提出し、双方による詳細検討が行われ2014年12月に開発計画の承認を得ました。
その後、3次元地震探査を行うとともに生産に必要な施設の基礎となる人工島の造成、水路の浚渫を進めました。
2016年には3次元地震探査の結果を取り入れた最新の地質構造図と埋蔵量の再評価、油層シミュレーションによる生産予測等を盛り込んだヘイル構造詳細探鉱計画・開発計画の改訂版をADNOCに提出して承認を得ました。

水路の浚渫と人工島の造成

ヘイル油田の開発では生産操業を容易にするために、坑井と生産地表設備を1箇所に集約させたターミナルを建設することにしました。このターミナルは油田に対する生産井の効率的な配置を行うために、油田構造の中央に配置する必要がありましたが、その位置はムバラス島の南に位置し、その周囲には浅瀬が分布していました。このため、その浅瀬を埋め立てて人工島を造成することになりました。また、坑井を掘削するために海上移動型ジャッキアップリグの搬入を計画していたことから、水路を浚渫し拡張する工事を実施しました。

海底パイプラインの敷設

ヘイル油田から産出される原油をムバラス島へ送る海底パイプラインが敷設されるとともに、ムバラス島からヘイル油田に電力を供給するための電気ケーブル、多目的となる2本のパイプライン等がヘイル油田とムバラス島の間に敷設されました。

ゼロディスチャージでの油田開発

ヘイル油田の海域は世界で有数のジュゴンの生息地であり、海ガメやイルカなどの海洋生物も数多く生息しています。このため、浚渫、人工島造成工事にともなう土砂、泥水の排出を外洋に流出させないため、シルトカーテンが設置されました。
また,掘削作業の排水、汚水、施設建設用キャンプから出る生活排水等を海洋に排出させないため、圧入井を掘削し、全て地下に圧入しました。このように海洋汚染を防止する処理を行い、開発を進めていきました。

早期生産と生産設備の建設

ヘイル油田の開発では自噴採油とそれに伴う生産設備の建設を早期生産フェーズとしてフェーズ-1、将来の油層圧力低下と随伴水の増加による生産減退に備え、水攻法とガスリフト採油を行う設備の建設をフェーズ-2としました。
フェーズ-1ではヘイル油田に造成したヘイルサイトターミナルにて、試掘井兼生産井、生産井、排水圧入井およびカッティングス圧入井の掘削を実施するとともに各種配管、多相流流量計の設置、ケミカル圧入装置、計装のコントロールルーム、電気室、防消火設備の建設が平行に進められました。その一方でムバラス島ではヘイルの原油を処理するセパレータと付帯設備、配管等が増設されました。

2018年11月23日 ヘイル原油を含んだムバラスクルード初出荷

ヘイル油田は2017年11月7日に1号井のバルブオープンが行われ、生産を開始しました。その後、仕上げ作業が終了した坑井から順次生産を開始し、2019年1月には全坑井が生産可能となり、フェーズ-1の開発が終了しました。
今後、原油回収率の増加を目的にフェーズ-2のスタディおよび開発が進められます。

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